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●太平洋の両岸のボールゲームフリーク
さて11月16日、日本で友人たちとのほほんと日米野球観戦計画を立て、いざ出発の頃合いでいた僕の元に届いたメールは、ロサンジェルスの浦野さんからで、本来なら彼も同行するのが恒例となりつつあるイヴェントだった。仕事の都合で赴任したのが10月で、それがほぼベイスボール・シーズン終わりだったから、彼の口惜しさったらなかっただろう。おマケに彼の滞在期間は再びベイスボール・シーズンの始まる直前まで。結局彼は、ほぼ本場MLBのベイスボール観戦のチャンスを得ぬまま帰国する運命なのである。ぎゃはは、お気の毒。などと思っていたら、僕やワイフをむしろ口惜しがらせる内容で、「それならこっちは同じ週末にNBAに行ってやる！」というもの。一時期僕もNBAにハマりまくり、NBA英語の紹介でもしてメシのタネにしちゃろーかいと思ったし、ワイフのデニス・ロドマンへの偏熱愛はヒドく、居間兼台所にはしばらくポスターまで貼られていた。そんなワケで、僕らが友人8人連れ立って日米野球第6戦を見た直後40時間ほど後には、浦野さんは上の写真のようにNBA観戦を実現してしまったのだった。
 ここがあのロサンジェルス・レイカーズの本拠地ステイプルズ・センターだってのは、イヤんなっちゃうほど分かって口惜しい。浦野さんは、正しくネット上でキャンセルティケットを手に入れ、好奇心の赴くままに初のNBA体験を、こともあろうに前シーズン・チャンピオンのゲームを見ちゃうコトと相成った。ウラヤマＰ。
 さらに結果的にもっと口惜しいのは、僕ら8人の日米野球超高額ティケットはイイ席とは言え最前列から第29列目だったのに対して、浦野さんが急遽ネットで入手したティケットは、後日送られた左写真でも分かるようにゴール裏第5列目だったのだそうだ。くっそ。あんまり口惜しいから、ここ東京で友人たちと集まった日米野球のゲーム後に酒飲みながら冗談半分に交わした会話の証拠を以下に記しておく。
●Ryuさん .255 32本
●ウシオさん .270 30本
●野口さん .268 28本
●リエさん .300 31本
●ミキオ .292 42本
2003年のゴジラ松井くんの、まだこの段階ではどの球団に行くとも分からない成績当てっこゲームを酒の肴にするというフトドキな遊びに興じて盛り上がっちゃったのだった。後日知ったのは、松井くんは当初代理人を立てずに自ら英語の辞書を引きながら大リーグ各球団と交渉しようとしていたらしい。一見無謀と思われる行為でもそれを自分流にやってみようとする松井くんの志の高さには、僕はやっぱり胸打たれる。遊びに興じたのは5人だけだったけど、僕らに共通して言えるのは、大リーグというボールゲーム世界に果敢にチャレンジしようという若者には大いなるエールを送っちゃう姿勢だ。これでまた2003年も夢が見続けられる。
どうだい、浦野さん。海の向こうからゲームに参加してもイイんだよ。
photo by Kimihiko
Urano
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