■医療拒否を再考する　9/6�F

　また今回も右脚慢性骨髄炎の痛みに倒れてほぼ半年が経過してしまった。もう9年前になるか、前回倒れた時はひどい高熱と痛みでほぼ死を意識しながら、それでも意地で医者になんぞ頼ってたまるかと踏ん張った。何とムダな労力。実際、少なくとも1週間は続いた40度を超す高熱の時に、僕は十代で味わったと同じ臨死の経験をした。さて、今回。まるでヤマ場もなく、ただダラダラと痛み、それとともに動きがとれなくなり、やがて睡眠不足に責めさいなまれる期間がずっと続いた。少しイイ日もあれば、元の木阿弥の1日もあって、1歩進むと2歩下がっちゃうコトも度々だった。それでも、どうにもこうにもヒ〜コラと七転八倒する痛みではないので、悠長に明日に希望をつなげてきたのだが、半年経ってまるで状況が変わらないコトが分かると、ちょっとさすがに考え込んでしまう。昨夜半、ふと体重計に乗ってみたら5キロほど落ちていた。今や腕なんざ少女のか細さと相成った。おほほ。(それにしたって、顔のムクみ、腹だけ出っ張りはどうしたもんだ！)
　で、実は、おとついの夜、どうにも業を煮やして、ワイフとセガレを前にして「今月いっぱい様子を見て、それでもダメなら医療拒否の撤回をする所存である」と宣言した。2人とも「へぇ〜」という顔つきだった。この僕の口からそんなセリフが出るとは思っていなかったようだ。動けないのはイイ、歩けないのもイイ、デスクワークがとことん出来ないのが口惜しいのだ、ともつけ加えた。
　もっとも覚悟を決めて即座に行動をしないのは、いかにも愚図でノロマな僕らしい。まだ内心「へへ、あと3週間のうちに回復するかも知れないもんネ」と楽観しているのだ。で、元気になったら、少し長期的なビジョンで行動しようとは思っている。もうじき20日で、僕ももう52歳になるのだった。う〜〜〜んむむ。オトナにならなきゃナァ〜。
●今日の１句　　49.5kgと言ったら動き回れた時代だったゼ
●今日のもう１句　　拒否を撤回した後また撤回撤回の予感もあって

■ゲップとオナラとエネルギー　9/3�C

　もう1、2週間ほど前のTV海外トピックスで知って驚き、さらには今朝の朝日新聞にも掲載されていたのが、ニュージーランドの家畜に対する「げっぷ・おなら税」だ。動物が消化の課程で出すげっぷやおなら、さらにはその糞から発生するメタンガスや亜酸化窒素が二酸化炭素の21倍〜310倍もの温室効果ガスとなることから、政府が家畜1頭ごとに課税しようってぇコトらしい。アメリカを筆頭に経済大国がバンバンとエネルギー使いまくっているこの最中にあって、なんてぇ微笑ましいなどと思ってはいけないようだ。どうやら真剣らしい。しかしそれにしても、方や人間と共生し、人間の食ともなってくれる生き物のコトだ。少しゆるゆるやったってイイじゃないか、などと思ってしまう。
　もう一方でサウディアラビアの老けた王子(!!)が石油原産ライバル国ロシアを訪ね、OPECの邪魔はしてくれるナという圧力要請。ほぼ石油のみで成立している中東の豊かさは、その利権を握るごく一部の支配層だけを太らせ巨万の富を与えながら微妙な均衡を保ってきているが、しかしそれだって石油に代わるエネルギー開発が本格実用化された場合には、やがて国の体制存続の危機にさえ発展しかねないのは明らかで、石油の需要がとことん落ち込んだ時の産油国の窮状は無惨なものになるのだろうナと思う。
　さっきコーラ飲んでゲップを1〜2発。目覚めてここまでオナラは2〜3発。タバコ20本と虫の息みたいにか細い呼吸の継続が、僕が直接発生させた本日ここまでの温暖化ガスだ。
●今日の１句　　イチローくんは確かにキャッチ22であった
●今日のもう１句　　イジワル父ちゃんセガレの外出と雷鳴にワクワクする

■無邪気な夢　9/2�B

　今朝方寝付けずに早朝TVニュースを見ていると、海外トピックスに面白い話題があった。USPGA(全米プロゴルフ協会)のツアーでもタイガー・ウッズと伍して戦えるだけの左利きの強豪フィル・ミケルソンが、何を思ったか突如大リーグ傘下3Aの入団テストを受けた。それも、投手として。驚いたのはゴルフで小技やパッティングに絶妙の才能を発揮しているミケルソンは、ベイスボールでは何と右投げであった。数年前までよく見ていたアメリカのゴルフトーナメントのTV実況で「ナイスガイ過ぎてMajorな大会に勝てないのだ」としばしば言われていた彼は、それでもずっとランキングベスト10以内には入っている強豪中の強豪ゴルファーのはずである。画面で見るミケルソンの投球フォームはぎこちなく、ゆるゆるとしたボールを投げるばかりで、よくもまぁこんな実力で別競技の入団テストを受けたもんだという冷淡な視線を送りそうな自分もいる。イカん、イカん。あのNBAのマイケル・ジョーダンだって一旦引退した直後に大リーグ入りを真剣にめざしたのだし、今年に入ってイチローくんなどが対戦するアメリカン・リーグには元NBAのヘンドリクソンという長身左腕が才能を結実させようとしている。他の競技で成功をおさめたにも関わらずベイスボールへの夢断ちがたくというケースを本当によく耳にする。結局それだけベイスボールが一部のフィジカルエリートだけに許された競技ではないというコト。
　それにしても無邪気な夢を見るのはイイことだ。僕はずっと書き進みもしない小説がモリモリと書けたらなぁ〜と無邪気な夢を見ている。
●今日の１句　　ベイスボールは選手のモノ野球は指導者のモノ
●今日のもう１句　　にゃ〜と鳴いてみろそこのクッションめ

■匿名者への対応　9/1�A

　僕の掲示板に不意にイニシャル１文字だけの投稿者が現れて、「ミキオ・Ｅ さんも意外とステレオタイプな御考えをお持ちなようで....。」と慇懃なコメントするもんだから、論旨がズレてる点を指摘したら次なる挑発投稿が来た。糠に釘、暖簾に腕押しで、この手のコメントにまともに返答する気はないが、その展開自体は楽しんじゃっている。ひゃは。僕の掲示板に発言内容の制約を加えるコトは一切しないし、僕への非難も甘んじて受ける場合もあるだろう。ただ、当初から言っていた通り、発言自体に責任をとっていただくためにメールアドレスとのリンクは付けてくれとお願いしている。するとこの投稿者、メールがニガ手なのでメールアドレスを持たない、と勝手な自己弁護なのか釈明。僕はまるでそれ自体を信用してはいないが、普通、そういう環境にあるヒトが掲示板でのみ大長編のコメントするとはとても思えない。彼もしくは彼女に、ネット上コミュニケーションにおける人格権はない、と結論づけた。さらに、前出カッコ内コメント「意外に」とあるのは、この人物がある程度僕の書くモノに接した経験があり、「日頃言ってるコトと違うじゃないか」という、はからずも観察結果(のぞき見という)の開陳をしちゃってる間抜けぶり、きっとどこかで接点があったのだろうという気色悪さも手伝っちゃうので、結構やっかいなのだ。
　ところで同じ掲示板で以前、メールアドレスのリンクはするのに一切の素性を明かさない人物がいた。この人物との会話は結構興味深く、こちらも推理小説さながらその人物がヨーロッパ在住者だと推測したり、そこそこに身辺雑事を書き込んでくれるようになった頃にはネット上コミュニケーションにおけるある種の摩訶不思議感覚に誘われる気分にさえなったのだった。ところが、この人物が日本のあるサイトで自身への誹謗中傷が行われている旨の発言をした瞬間から僕らのコミュニケーションに破綻が生じた。匿名性の陰に隠れて発言している以上、何を言われても痛みの外に存在しているワケで、それはある種自ら招いたタネではないか、と。そうした議論の末にその人物(彼もしくは彼女)が自らの考え方を変えて在住国名や女性名を名乗ったコトで、僕らのコミュニケーション関係は逆にまったく無意味なモノと化してしまったのだった。つまり、在住国も名前も、どれひとつ真実と確信できる保証が消え去ってしまっていたのだ。コレはホントに不思議な感覚だった。その段階で、それまでずっと匿名性の影に隠れて発言していた人物が「どこに住もうが、彼もしくは彼女であろうが」まったく関係なく、彼もしくは彼女はもともと登場したまんまの匿名の、それ故にまったく人格権さえも存在しないコミュニケーションの相手とするには無意味な対象となってしまったのだった。匿名性にはいつも背中合わせに危険があるというコトを、もうちょっと気づいた方がイイんじゃないかナァ〜。
●今日の１句　　雲低く遊子哀しまず汗をかく
●今日のもう１句　　テロリストは目的を果たすまで匿名である
※ウェブ上連載エッセイ「ネコのコネ」第6回「午睡とにらめっこ」が本日アップされました。トップページからどうぞ。