■カネ儲けの夢

　ビル・ゲイツが東京のどこかの小学校を訪ね、そこで講演したり生徒たちと質疑応答をしているニュースを明け方に見た。ニュースのナレーションで「僕はキミたちの年頃ではもう起業家を夢見ていた」とかなんとか。それを聞いた子どもたちの目が輝いちゃったりなんかして、やっぱり実物と出会えるってコトはイイものだという主旨の報道。ふうん。百人の生徒がいたら百人全員に向かって言っているワケじゃないのは分かっても、何だか僕には気色の悪い光景。教育のほとんどすべての局面で、即実社会に役立つことをテーマにすり替えちゃおうという動きが目立つ。イイじゃねぇか。学校なんざ浮世離れしていても、と僕は思っちゃうのだ。浮世離れしてもっとまるで具体的じゃない夢を見させてやれよ、と思っちゃうのだ。もちろん、子どもたちの目の前に現れたビル・ゲイツは、仮にそれがイチローくんやゴジラ松井クン、サッカーの中田クンでも同様のインパクトを与える「ヒーロー」の1人の意味があるのだろうけれど。ビル・ゲイツとなると、どうも僕にはアメリカの拝金主義イメージが先行しちゃうナァ〜。
　最近になってワイフと時々話すのは、L.A.で夢のような音楽学校生活送っているセガレのコトで、とりあえず学校在籍期間を3カ月延長するのは決定事項にしちゃったけれど、ぼちぼち帰国後のビジョンも考えさせておいた方がイイんじゃないか？　というシヴィアな内容だ。セガレの生活がヤツにとって「夢のよう」なのは、第一ウルサい親元じゃない場所で生活しているコト。第二に、大学生らしき別の友人と2人でアパート暮らしという快適生活空間。第三に、学校の授業が充実していること以上にスタジオ施設が24時間自由に使いまくれるコト。それにひても、セガレが中学生時代に「おっ父、オレ、ミュージシャンをめざすヨ」という発言に、「おお。だったらチャラチャラ兄ちゃんのカッコだけ音楽なんぞやらねぇで、最初っから70歳のジーサンになるまで続ける覚悟でやれ」だなんてオドシを掛け、さらに「たいていの本物のミュージシャンって言うのは食えない。ソレを覚悟でトコトンやれ」と、好きな分野と経済活動との分離意識まで植え付けちゃっているんで、果たして帰国後のセガレが何を考え、どういう生活設計をしているのか、まるで分からない。ワイフには、「イイじゃん。もう少し夢見させてのほほんとさせてやればぁ〜〜？」などと言っているのだが、考えて見るとセガレに残された時間はたった4カ月「しか」ないのも事実だ。どーすんだろ。
　セガレにカネ儲け教育は出来なかったけど、本日僕はこれから大いなるカネ遣いを実践するためにヒンジュク、六本木へと出発するのであった。カカカ。
●今日の１句　　起業家と無縁のこちら虚業家です
●今日のもう１句　　BBS作っちゃおーかなぁ〜