■高邁過ぎるゾ！僕

　おとついヒンジュク紀伊国屋書店で買ったのは、4冊の野球英語関連書籍だった。いよいよ「ベイスボール英語辞典」に本腰を入れるべく、世の中の情勢を調べちゃろうかいナというのが動機だったが、ペラパラと各書をめくってガク然としたのは予想の範囲で、英語専門家たちがいかにラクな執筆作業で著作をモノにしているかを再発見。この春に入手した1冊も含め、今僕の手元には5冊の比較的新しい関連書籍が揃っている。書籍タイトルとサブタイトル、帯コピーも含めて列挙してみよう。
『決定版！野球の英語小辞典〜メジャーリーグを120%楽しむ本』TVを見ながら英語力アップ！……黒川省三/ジェイソン・B・オールター著/創元社
『こんなに違う日米野球用語小事典』本場の野球用語に強くなり、英語感覚に磨きをかける1冊……黒川省三/植田彰共著/洋販出版
『MLB(大リーグ)実況英語でわかる本当はもっと凄いイチロー＆新庄』これがわかれば、あなたもちょっと先行くメジャー通！もっと楽しいメジャーリーグ！……出村義和著/徳間書店
『シャノン・ヒンギスの野球英語で直球勝負！〜使える！笑える！野球用語辞典』英語がわかれば野球はもっと面白い！……シャノン・ヒギンス著/マクミランランゲージハウス
『知らなければ話にならない英語必須スポーツイディオム』英会話はスポーツイディオムで生きてくる！……シャノン・ヒギンス著/マクミランランゲージハウス
　明らかにイチローくんの大リーグデビュー以後、これらの書籍企画が倍増したのだろうが、帯に短しといった感じのビギナー向け総花記事に終始していて、少なくとも僕が「ありがたや」と言って手にする書籍ではなかった。逆説的に言えば、僕はもうすっかりその道のプロフェッショナルで、どの本にも「おいおい、そうじゃないだろ！」などとツッコミを入れてしまう自分が恐ろしい。中にはこの著者は、英語で書かれた最良の書『THE NEW DICKSON BASEBALL DICTIONARY』を座右の書としていないか、さもなきゃその存在さえ知らないんじゃないのか？　と、疑えるモノもある。そして最大の疑いは、著者たちがホントに僕のようなカウチポテト族で、TV実況英語にこだわった語彙の選択をしているのかどうか。むしろその出典が、雑誌や新聞など書かれた資料を元にしているんじゃなかろうか？　というものだ。
　そこ行くってぇと、僕は文書や書籍情報に頼らず、ただひたすらビール片手にTVを見続けるという高邁な姿勢を貫いて今日に至っているワケで、従って僕の編纂中「ベイスボール英語辞典」の非アカデミズム、カウチポテト族的お茶の間現場主義というのは、ホントに異端的に美しい姿勢なのである。なんちゃって。ひゃは。
　ところで、来月発売の雑誌原稿に「ベイスボール英語辞典」を年初早々にも完成させる覚悟と書いちゃったので、まさに有言実行のいつものパターン。さっき、各項目毎にあるファイルを1度に開いてみて、その効率の悪さにガク然とした。急遽「エクセル使いのプロ」ワタナベさんに電話で問い合わせ、ラクな原稿整理手法に関してお知恵を拝借しちゃった。ふんむむ。高邁過ぎるツケが回った。なはは。
●今日の１句　　飲みたがりまへん書くまでは
●今日のもう１句　　松井を英語で応援する！必要はない