■風邪にヤラレた瞬間？

　確かに、夕刻18時3分、僕のカラダに風邪の菌が侵入した実感はあったのだった。都心を襲った降雪の翌日、すなわち昨日の4 時にワイフと待ち合わせ、表参道近くのギャラリー2軒をハシゴする大遠征に出掛けた。小林純子さんの彫金によるオブジェが展示されていたギャラリーに辿り着いたのは、ワイフとの待ち合わせ時間にほぼ1時間も遅れるという大失態の5時ちょっと前。珍しく出掛ける直前に電話が続き、こりゃ30分ほどの遅刻は覚悟せねばという事態になったのだが、地下鉄・大江戸線はどこまでも深く深く潜り込まねばならず、各種交通機関にすっかり馴染みが薄くなった僕は、ティケット購入からして失敗した後やり直すなどの手間ヒマがかかっちゃったり、おマケに乗り換え連絡でもさっぱりワケが分からず狼狽えまくりの挙げ句の果ての到着で、当初所要時間1時間のはずがたっぷり1時間半もかかってしまったのだった。う〜〜。
　2軒目の齋藤正光さんも参加なすってる「マッチ箱アート展」のギャラリーには、裏通りの狭い路地をくぐり抜けて到着。60人ものイラストレイターが思い思いにマッチ箱に彩色描画した、まるで小さな雑貨屋かさもなきゃガラクタ市みたいな趣が面白く、ちょっとしたレトロ感覚世界であった。大好きな齋藤さんの別の画風が見られたのも収穫。
　で、外に出た瞬間。不意に寒気が襲い、ノドがいがらっぽい。「あ。風邪引いちまったナ」と確信した。途端に声までひっくり返る始末。いったんワイフと別れて銀座線、丸の内線と乗り継いでヒンジュクに辿り着いた頃には、今度はアタマまで痛くなった。紀伊国屋1階のタバコショップでキセル用刻みタバコを2種類購入。さらに書店で資料書籍をゴッソリ買い込んで、毎度お馴染みのジャズバー「サムライ」へ。アタマがガンガン痛む。恐る恐るビールを飲みつつ、店主や顔馴染みの客に「僕は本日6時3分に風邪をゲットしたのだ〜〜ッ！」と大宣言。そのうち会社帰りのワイフも合流し、いつもの顔馴染み常連客もオールスターキャストで勢揃い。おマケに1度お会いしただけで僕が岡っ惚れしちゃっているチエさんまでフラリと現れ、いよいよ窮地となったのだった。カラダの節々まで痛みが出て、酒の回りもいつもの倍という感じ。ワイフと一緒に早めのご帰還と相成った。
　アパートに帰ってガンガンに暖房をかけ、ビール飲み直してウダ〜っとしているうちに、なんだかポカポカ気分が回復。
　ありゃ、何だったんだ？　本日起床したら風邪の兆候なんざ雲散霧消していた。きっと酒が効いているんだナ。ふひゃひゃ。
●今日の１句　　法廷画家の面前で似顔絵を描く
●今日のもう１句　　チエさんとヤツメウナギを残す不安