■雪の日で思い出すコト

　昨深夜から小さい雪の粒が舞い始めた。明けてうれしや雪景色。シゾーカ出身の僕は、すでに東京生活の方が1.5倍も長いのに、相変わらず雪を見るたび興奮する。やった！
　そいや。確か15年ほど前、まだ僕が飯田橋の大曲に住んでいた頃、東京が相次ぐドカ雪に見舞われたことがあって、当時の僕はムチャに忙しくって、膝近くまでの積雪の中、どうにか仕事先まで移動しなくちゃならない状況で、やむなくタクヒーに乗って驚いたことを覚えている。飯田橋界隈には有名な神楽坂とか九段坂とか大した起伏でもないのにエラソーな坂がゴマンとあって、常日頃はナメまくっていたのだが、雪の日のタクヒー移動はヘタすりゃ遊園地のジェットコースターよりもスリリングに地面を滑走しまくって肝をつぶしたのだった。
　夕方のニュースを見れば、「雪に弱い首都圏露呈」のニュアンスで毎度お馴染み、各種交通機関で足止めを喰らった客たちの一斉のブーイングのオンパレード。中にはそれら交通機関への憤懣やるかたなしという風情の中年サラリーマンがほぼ「気色ばむ」感じでインタビューに答えていたりもした。
　このネット時代。数年前まで大いに脚光を浴びていた「サテライト・オフィス」なんてのは単なる幻想で、不況時代の今日は現場まで行かなきゃやっぱり仕事にならないんだろか？　現場に行ってペコペコと頭を下げることからしか仕事は始まらないんだろか？
　窓の内側から雪化粧の外界を眺める気楽さを実感しつつ、むひひとヨロコブ僕ではあったが、唯一の気がかりは外出中のワイフのことで、彼女は大いにそそっかしいので、帰宅するまでは、翌朝の新聞の「中年女性、転倒して頭部打撲であの世行き」などという記事になりゃしないかと、これでも結構ヒンパイしちゃうのだ。いつもより少し遅めに無事ご帰還と相成り、用意した塩鮭メインの鍋物に舌鼓を打っていらっしゃらはれほれひれました。
　明日(正確には10日の本日)には、本HPトップでも紹介している齋藤正光さんの集合展と小林純子さんの個展をハシゴしちゃる所存。お願いだから路面凍結なんてコトのないように願いたい。なはは。
●今日の１句　　降る雪の白さを疑う事情かな
●今日のもう１句　　降る雪積もる雪に都会の美醜だ