■正岡子規が「元凶」だ

　今年に入ってから突如、俳句をする人たちにエラく接近しちゃった僕の発言で、予想以上に反響の大きいのが「日本でbaseballという美しいゲームを野球などという競技に堕落させた原因は、あの正岡子規じゃねぇか。くっそ」という確信犯的暴言だ。なぜ反響が大きいのか考えてみると、「俳聖」とさえ目されている人物の、それこそ「遊び心」で紹介した野球という日本でのネーミングにイチャモンつけているのだから、とりあえず「ほぉ〜う」と驚かれるのだ。そんなハナシはこれまで聞いたこともない、ということだろう。
　もう恐らく日本人の99%が何の疑問さえ抱かない「野球」という名称が、いかにゲームの本質からかけ離れた概念を植え付けてしまったか、僕はいつもそのことに関心を持つ。ベイスボールとはそのコトバが示す通り、本来は「土塁を構築しながら前進してゴールをめざす陣取りゲーム」であることを忘れている日本人が圧倒的に多い。その元凶こそが、僕は「ベイスボールを野球と翻訳紹介した正岡子規」であると断じているのだ。子規の本名が「のぼる」で、「ぼる」はballに通じるからついでに「の」の字にあてはめられる野と名称化してしまおうだなんて、あまりにも身勝手じゃないか。あまりにもゲームの特性を無視した所業じゃないか。こういうことを平気で言えるのは、僕自身が正岡子規に関して多くを知らず、さしたる敬意を持たないからで、こちとらあくまで「こと野球という名称が引き起こした文化的現象」についてのみ批判しているので、怖いモノはない。
　今日から2002年日米野球の公式ゲームが始まった。昨日の巨人戦は、単なる肩慣らし、腕慣らしだった。招聘元新聞社の勝手な我田引水行為。
　日記アップの時間に本放送前のゲーム開始から見ることのできるケイブルTVで観戦。イチローくんファンの僕としては、見逃すことなんてできっこない。ついつい、珍しくアップの時間が夜半になった。結果は、東京ジャイアンツの上原クンの快刀乱麻で日本プロ野球の快勝。MLBの今回のメンバーは、攻撃陣だけを見ると過去最高の布陣。魅力たっぷりで、本場アメリカのオールスターでさえこんな単独ティームは出来上がらなかったと言ってもイイ。だから、僕にとって魅力たっぷりで、その連中をキリキリ舞させた上原クンのスゴさが一層際立つってもんだ。ただし、MLBがもはや一流の投手を連れてくることは困難で、その投手陣から8点も取った日本ティームがスゴいなどとは思わない。
　最後に、蛇足。「日米野球」をメディアを含む大半のヒトは誤解している。アレは米国中心の地域で開催し、球団運営している多国籍プレイヤーの選抜ティームが来日したのであり、「アメリカ・ティーム」ではない。その意味で、迎え撃つ日本ティームにカブレラがいることは大変な快挙で、JPBAだったか日本プロ野球機構の選抜ティームなのだから、本来は3割4割方の「ガイジン」が含まれるべきだと僕は思う。
●今日の１句　　上原クン頼むから観戦する16日は投げないでくれ
●今日のもう１句　　ベイスボールにゃ「世界」なんぞない