■ゴジラは、インフラに導かれるのだ

　昼のニュースで、東京ジャイアンツの松井クンのFA宣言の上での大リーグ行き発言を知った。僕は、イチローくんの時と同様に、手放しで応援したい。まだネットに入って読んではいないが、大本命と目されているヤンキースの地元N.Y.でも相当に注目されるはずだ。僕など、今年の日米野球にヤンキースの選手が2名も含まれていると知った時点で、ヤンキースが日本プロ野球への強い交流メッセージを送ったのだと推測したし、今のヤンキースにとって「日本製のゴジラ」はノドから手が出るほどに欲しい逸材と映っているに違いない。昨年までのスター選手ポール・オニールの引退後、外野の一角がほぼ空席状態という事情がある。「ベイブ・ルースが建てた家」の異名があるヤンキースタジアムは、その当初から左のスラッガーが待望されていたのだ。
　一方、日本のプロ野球界は危機感を募らせるのは当然だとしても、プロのサッカーの世界でJリーグが発足時から提唱している地域に根ざしたスポーツ文化の振興という面に関して、野球はあまりに一部企業の目先の利益にのみ固執し過ぎた。アメリカ大リーグの機構の下には、人口数万人のほんの小さな町にも各クラブ傘下のマイナーのティームがあって、「オラが町のティーム」としてベイスボールそのものを愛するファンに下支えされているのだ。本来、セ・パ合わせて12球団のトップクラブがあれば、その5倍程度以上のマイナーリーグを全国各地に配するぐらいの地域振興策、すなわちインフラ作りが必要だったはずだ。そうすれば、たった1人や5人や10人程度のスター選手の流出があっても、びくともしなかったではないか。昔からゴジラが上陸するのは大都会の石油コンビナート近くとか高層の例えば東京タワーあたりだったが、近頃日本のインフラ整備もだんだん目新しいモノがなくなったんで、ひとつここらでアメリカ上陸ってのはおシャレだ。あ、世紀の二流映画アメリカ版ゴジラはすでにN.Y.上陸済みか。きゃは。
※そう言えば昨年ネットで見かけたシアトルの地元紙の記事で、イチローくんに誰かが「ゴジラとキミは、どっちが大きいの？」と質問があって、尋ねた記者以外、その場に居合わせた誰もそれが松井クンとの体格比較の意味だと通じていない様子が分かったことがあった。なぜなら、記事そのものもまだ「ゴジラ＝松井クン」を知らずに書いていたフシがあったからで、思わず僕は笑った。
●今日の１句　　誰か日米野球のティケットはいらんかえ〜〜ッ