■女たちのサッカー好きは……

　昨晩、サッカーのU20アジア選手権の準決勝、日本対ウズベキスタンを観戦しながら改めて痛感したこと。サッカーとは「卑怯を競うコンタクトスポーツである」というコトだ。これより数日前、アメリカ大リーグのワールドシリーズ最終戦に胸躍らせていた僕だったので、なおさらのこと、この思いを新たにしたワケだ。もちろん、ベイスボールとサッカーとは比べるべきもない競技の質の顕著な違いがあるワケだが、一方のベイスボールの基本中の基本姿勢とでも言うべき競技の質は、「１対１で正々堂々」にこそあるワケで、この「正々堂々」に反する行為の代表が「敬遠の四球(intentional walk)」であり、それは観客の誰の目にも明らか過ぎて困っちゃうほどハッキリとした行為を伴う。唯一残された言い訳は、戦術であるコトか。日本野球ではともかく、投手にぶつけられた打者はよほどのコトでもない限り痛がったりしない。「フン。お前みたいなヘナチョコに当たったって、蚊に刺されたぐれぇのもんズラ」と、ホントは痛いのにヤセガマンして１塁に向かうのである。ああ、お気の毒。
　昨晩のサッカーでは、こうしたベイスボール頭の僕の感覚をひっくり返して、いや逆立ちして観戦するハメになった。昨晩が特別というコトでもなくて、サッカー観戦時は毎度そうなのだが……。ともかく「削られたら、オーゲサに痛い素振りをしろ」の１点に集約されるほど、ゲーム全体を支配するコトの多かった日本代表の若きイレブンは情けないほどに「正々堂々」。言葉を換えれば、サッカー知能に劣っていた。ビデオで繰り返し再生されるウズベキスタンのかなり悪質なファウルの連続には、ホントに肝を冷やす思いだったが、ゲームを作るのは審判であり、審判にクレームつけるのは敗者の常だ。
　で、僕の知っている範囲の魅力たっぷりな女性たちのほとんどすべてと言ってもイイほどの連中が、ワイフを含めて熱烈なサッカー好きと化している。「見栄とプライドとキレーゴト」が基本のベイスボール・ファンである僕には、サッカー・ファンでベイスボールにゃ特段の関心がない女性陣から、こんなメッセージが送られている気もする。
「フン。甘いわネ。キレーゴトなんか言ってても始まらないのヨ」
●今日の１句　　Tシャツ１枚で玄関出る迂闊ひやっ
●今日のもう１句　　冬支度前に部屋を殺風景にしたいゾ