■美しいカラダ

　つい今し方、本日付け夕刊のスポーツ欄を読んでいたら、欄外短信扱いで奥野史子サンの結婚報道を見つけた。お相手は陸上短距離の現在の日本のエース、朝原クンだそうで、結婚情報なんぞはどーでもイイ。新聞に奥野サンの名前を見つけて真っ先に思い出したのは、「ああ、あの日本でいちばんカラダの美しいヒト」と、僕が勝手に思っているコトであった。彼女の競技種目だったシンクロナイズドスウィミングに関しては、僕はこれっぽっちも興味はなかった。確か同期ぐらいだったはずの小谷サンにばかり注目が行って、現役時代の奥野サンはどちらかと言うと地味な存在のはずだった。
　僕が奥野サンのカラダの美しさに目を奪われたのは、彼女がオリンピックなどの競技から引退した後のことで、TVで見たハワイへの旅番組中でだった。ショーアップされたものではないホンモノのフラダンスを取材するといった主旨だと記憶する。
　その番組中、奥野サンはカジュアルでゆるゆるとした袖無しTシャツのようなモノを着ていたのだが、襟ぐりの大きいデザインはすらりと美しい首から鎖骨下あたりまでのシルエットを涼しげに見せていて、おマケに少し開き気味の脇の下からチラホラと下着や胸の線なんかも見えていて、なんともセクシーだったのだ。露出が少しも過度に見えないのは、奥野さんの背筋がスッキリと伸びている点、さらになによりともかくカラダ全体がしゃんとしてキリリ、ムダな箇所がない印象を受けたからだった。アレって、体操やマラソン選手など、過度な身体負荷によって僕の目には時々グロテスクにさえ映る女性のスポーツ競技者と比べた時、どこからあの体型が来るのか不思議だった。考えてみりゃ、やっぱり奥野サンはその時点ですでに激しい競技者としての第一線を退いていたからこそ、「鬼のような競技者体型」に「優しくも本来的に柔らかい女性としての体型」が追い付いた頃合いだったんだろうナ、と思う。最近TVで見ていないけれど、30歳におなりの女性はいよいよ年齢的にこれから美しくなるはずで、結婚相手の朝原クンが純粋にウラヤマＰと思う僕なのであった。
　もちろん僕は「美しいカラダ」だけで女性を見るコトを格段の習慣にはしていないけれど、純粋に「美しいカラダ」に憧れちゃうことだってあるのだ。そうだった。その「美しいカラダ」で僕が惚れ惚れしていたのが奥野サンだった。
●今日の１句　　きれいなからだのきれいなひふかん