■バックパッカーの失敗

　ところで、今回のヌーヨーク旅行を前に、ステッキ歩行者の僕としてはできるだけ身軽に最低限の荷物を自分の責任で移動できるようにと、生まれて初めてのバックパックすなわちリュックサック状のバッグを購入した。1週間程度の旅行に巨大なスーツケースなんぞ持ってくヤツの気が知れんわいなどとウソぶきつつ。その目論見は、滞在2日後に入ったCDショップで見つけてしまった楽譜付きCD16枚(冊か？)の購入でご破算にされちゃったけれど、それよりもっと身につまされる出来事があった。
　以前の事情は知らないが、バックパックに地図やデジカメを入れて両手自由でラクチンだわいと出掛けたヤンキースタジアムでは、見事に入場を拒否された。ゲート前にもちゃんと「バックパックと大きな荷物はダメ」と掲示されていた。こっちはスッカスカのペチャンコ状態バックパックなのに、である。3日目に出掛けたマイナーリーグのゲーム観戦でも、どんな小さな手荷物にも「バッグ・チェック」が行われていた。やはり9.11事件の影響なのだろうか。おそらくどんな催し物会場でも、この「バックパック入場お断り」は実施されているはずで、そういう事前の旅行者への案内は十分にされているんだろうか？
　ちなみに今回のヤンキースタジアムでは、係員に「向こうのボーリングレーンに行ってバッグチェックを受けろ」というワケ分からんセリフ言われて仰天し、2度も聞き直したけれど同じセリフしか言われず、半信半疑で歩いていった先に薄汚い町のボーリング場があって、そこの副業みたいなもので「手荷物預かり」をしているのだと判明した。しかし、ボールパークに行っていきなりボーリング場へ行けと告げられりゃ、誰だって驚くはずだよネ。
　結局僕は、旅の最終日前日にヌーヨークのディスカウントショップみたいな店でキャスター付き旅行ケースみたいなのを19ドル払って入手するハメになっちゃったけど。
●今日の１句　　のたうってる間に思い出が擦り切れるぞ