■はぐはぐで後塵を拝す

　ワイフのフランス語つながりの友人たちが集まるというので、その二次会をジャズバー「サムライ」に指定し、合流した。待っている間、前々から1度お話してみたかった長身の女装の麗人(?)画家にして俳人の山本翠さんと映画談義で大いに愉しんだ。フランス談義にもなったところで、こりゃ合流するフランス文化グループにお引き合わせしちゃろーと画策し、まんまとウマくいった。快哉！
　ワイフが引き連れてきたのは、京都の消防署関係から今春どこか東京の官庁の外郭団体に赴任し来春には渡仏なさるというマチダさん、翻訳家の真利子さん、大学講師のナオさんとご亭主のタカオカさんという面々。日頃からヤクザ者を自認する僕の目に、きわめてアカデミックかつペダンティックかつリスペクトすべき対象と映ったんで、そこらへんで大いに茶々入れた。中でいちばんお若いナオさんは朗らかに猛烈抗議をなさるんだけれど、それも面白くってますます茶々入れるロクデナシ。大学授業で「自由課題」という傍目には無謀と思われるテーマを出したら受講生80名中70人がレポート提出してくれた時、「ワタシ、うれしくって号泣しました」とナオさん。どう泣いたか聞くと「ビービー泣いた」と言うから「そりゃBキューですネ」とやって笑われた。がっはっは。
　いつもと少し毛色の違うグループとなったんで、店主の二健さん、常連にして僕の無二の泥酔フレンド三亀さんも遅れて参加した。いやはや、僕にとってウレシー酒宴となった。そろそろお開きとなって、真利子さん、ナオさんご夫婦の浦和組がお帰りになるというんでカウンター横までお見送りしたところ、真利子さんから呼び止められた。「ミキオさん」「ホイホイ？　何でひょ」「何でひょ？　じゃないでひょ」
　うっわぁ〜ッ。いけね。そーだ。僕は「はぐはぐする男」だったのだった。とっても楽しげに酒席で会話してくれていた真利子さんから、まるでご褒美のようにはぐしていただいた。調子に乗って、ナオさん夫婦ともはぐはぐした。真利子さん、ありがとネ。
●今日の１句　　ミキオさんエズラブルックスが待ってますゼ
●今日のもう１句　　正しい酒席正しいご帰還