■鏡面的事実認識

　最近、滅多に雑誌を買わない。電車のお供として珍しく買ったNewsweek日本版を読んだ。「ベイスボール新時代」と題された多分アメリカ人女性コラムニストの記事。副題に「日本野球が大リーグの２軍になる日」とある。もんのスゴくつまんなかった。途中でヤメた。日本野球の問題点の指摘は理解の範囲。もっとヒドい現実だと僕は見ている。僕が感じる「記事の抱える問題点」とは、アメリカにおける相対的なベイスボール人気の凋落という現象には触れずに、「流出する日本のスター選手」と「受け皿であるアメリカ」という日米の２極を鏡に映して対比しているだけの記事と思ったからだ。つい先頃終わった大リーグのオールスターゲームは、全米でのTV視聴率の凋落ぶりが話題になったし、現場でもあまりに打算的なゲーム進行に観客から総スカンを喰らった。付加価値テンコ盛りの過剰演出に、長く大リーグを見てきた僕も食傷気味にさせられた。「アメリカ人は、アメリカを世界だと思っている」ことの現れで、そのコトにウマウマとのせられたって１文のトクにもならない。サッカーのプロリーグでも同様のことが言えるけれど、競技の興行的な発展とか地域文化としての成長をこの時代に考えるなら、僕らはやっぱり近隣の韓国・台湾・中国などと手を組んで、地域内の人材交流のまったくの自由化などという手段を講じるべきなのだと思う。アメリカ人が考えているほど、世界はそんなにヤワじゃないし、単純でもないし、閉鎖的でもない。自分たちが勝手に流動できるのだってコトを、もう少し知らせなきゃネ。何度も書くけれど、大リーグ・ベイスボールは、ありゃ田舎町対抗野球合戦だから面白いんだヨ。
●今日の１句　　後悔を許さないのだ若い女は
●今日のもう１句　　感性のコトバを嫌う女と使う男いて