■CBSドキュメント 6/21

　昨深夜、サッカー日仏戦の前の「CBSドキュメント」を見て、少し驚いた。今、アメリカ南部へのアフリカ系アメリカ人の文字通りの「帰郷」が進んでいるというのだ。かつての黒人差別の温床だった南部にいったい何が？　と思ったら、60〜70年代に南部を嫌って人種差別の比較的緩やかな北部に移住した黒人たちが、そこでの成功を原資にして南部に帰り、黒人だけの高級住宅街を作っているとのリポートなのだった。またリポートは、ジョージア州の州都アトランタにおける黒人社会の10年前と今日とを比較し、10年前には3人に1人だった貧困層が5人に1人になっているとも伝えた。黒人社会の中にさえも強烈な貧富の格差が現れだしている。
　そう言えば、去年夏のヌーヨークの地下鉄で、こんな風景に遭遇した。1人は明らかに泥酔したアル中の中年男、一方はピシッとスーツを着こなした30デコボコの青年。黒人同士アカの他人が、地下鉄の中で猛烈な口論をしたのだった。「フン、お前のようなヤツは白人に魂売り飛ばしたクサレポンチだ」「おいおい、おっさん。ここはパブリックな地下鉄内だゼ。酔っ払って大声出すのはヤメにしとこーヨ」
　アル中男が青年に向かってアルファベットで何かのキーワードを言っていたのだが、もう忘れてしまった。アル中男の人物像は日本でも容易に想像できるものだったが、僕にはむしろ立ち居振る舞いの自信にあふれたいかにもビジネス成功者に見えた青年の様子の方が馴染めない気さえした。アル中オジサンだけでなく、青年の自信は傲慢に見えた。
　さて、それにしても、イラク戦争で戦死とされる米兵の名前や報道での写真を見るにつけ、ヒスパニック系、アフリカ系、アジア系の多さが分かる。最前線で死んでいくのはやっぱり豊かなアメリカ社会の中での貧困層でもあるのだ。
●今日の１句　　沖縄を陵辱するのは貧しいアメリカだ
●今日のもう１句　　唯一の得点をトイレで見逃すビール腹

■ウソと真実の狭間 6/20

　3日ばかり前から、腹這いになりながら小説の構想を練っている。今日の１句やらヨソ様の掲示板への駄句投句など、すっかり習慣になっちゃった僕のバヤイの五七五作りってのが大いに即物的・近視眼的であるコトを旨としているせいか、これまた僕のバヤイの小説での大いなる命題である「ウソの提示」作業もしくは行為のための足枷になっちゃっている気がしている。いつの間にか「見たまんま」「感じたまんま」の世界から抜けきれなくなって、空想世界を俳諧じゃない方の徘徊するコトが億劫になっている感じなのだ。ベタベタジメジメした私小説なんざ書きたくもないし、ヒトの世の真実なんてぇモノとも本来小説は無縁で自由であるべき、と僕は考える。う〜んむむ。この窮地を脱するためには、今日の１句からして逸脱しなくちゃならねぇか。ふむふむ。
●今日の１句　　匍匐して前進せずの官能攻撃だ
●今日のもう１句　　ステンレスが人類を蝕む昼下がり

■コンフェデレーションズ・カップ 6/19

　夜1時キックオフだからまだTV観戦できると、ワイフも前夜は遅くまで起きて2人でコンフェデレーションズ・カップの日本対ニュージーランド戦を見た。僕ら夫婦はなんせ「ジーコ命」のファンだし、若き日本のイレブンの急成長ぶりを手放しで喜んでいるクチなので、日本代表戦はともかく無批判に応援する。何度も言うようだが、それにしてもJリーグ発足以前と以降とでなんという日本サッカーの大躍進ぶり！！国内人気が比較的高い割には国際的実力がサッパリのラグビーに比べても驚異の成長ぶりだ。ラグビー人気というのは完全にメディアによって捏造操作された人気という側面があって、それはきっとラグビー出身者のメディアへの就職率の高さに原因するのではないかと勝手に推測。私見では、世界の強豪国と日本を比べた時の選手個々の上肢のリーチの差が、あの競技を決定的に日本人に不向きなモノにしている感がある。そこ行くってぇと、サッカーはちょうどほどよく日本人の体力・体格・敏捷性・小器用さに適合しているんじゃないだろうか。フィジカルなコンタクトスポーツではあるけれど、ラグビーほど直接的ではないし、危機回避のためにはボールをカラダから離してしまえばイイというのも、適合の理由だと思う。昨夜はカラダはデカいが戦術的にもう一歩というニュージーランド相手で快勝だったが、ワイフが寝静まった後に今後の日本の対戦相手となるフランス対コロンビア戦の前半も見てしまった。両者滅多ヤタラにダイレクトパスのスピードが速く、ひゃ〜こんな相手と次回は戦うのかと恐れを成したが、いつの間にやらワイフは「フランスはともかくコロンビアには勝たなくちゃネ」などと皮算用。つい数年前まで世界の強豪国の1つに数えられていたあの国を、そんなに見下しちゃっててイイのかぁ〜？
●今日の１句　　背筋の伸びたるところヒデとイチローの存在感
●今日のもう１句　　薄皮の最後の１枚脱ぎきれず

■おまわりとハジキ 6/18

　なにやら都内の団地で立て籠もり事件があって、昼間の民放のTVニュースを見ていたら
近所に住むという60歳をやや越えたぐらいの男性がインタビューに答えていたのだった。警官の現場到着についてのコメントで、「その時ようやくオマワリが来てサ」などとおっしゃらはらほれひれるのであった。マッポ、サツ、オマワリなどという呼び方にはこちらはまるで馴染みがないし、仮にソレに触れる機会があったとしてもせいぜい全共闘くずれの根は純情なオジサンの口から発せられるケースがほとんどだから、犯罪の現場近くでソレを聞くのはなんだか尋常じゃない気にさせられる。犯人も怖いけど、案外ご近所も似たかよったかなんじゃねぇのか？　などと。
　そいや。1週間ほど前の短銃発砲事件でインタビュー受けてた人物にも、僕は大いにビックリした。「パンパ〜ンって音が聞こえたから、あ、こりゃハジキの音だナって気がついた」って、おお市井のヒトよ！　これも都内下町の事件だったと記憶する。
●今日の１句　　チャリなどとこそ泥用語が幅利かす
●今日のもう１句　　室温28度の温室育ちです

■大阪人は北朝鮮人並？6/17

　別に大阪のヒトにケンカ売ってるワケではない。夜7時開始のナントカゆー番組で、現在絶好調の西宮タイガースのファンの間で応援必須グッズとなっているジェット風船飛ばしについて、歌手の泉屋しげるが表題のセリフを吐いちゃったのだった。「だいたい大阪人ってのは、ほとんど北朝鮮と変わりねぇんじゃねぇか？」が、その発言。なにしろ生放送の報道なのかバラエティなのかの中途半端番組内のコトだから、さぞかし抗議電話やら番組内謝罪やらがあったに違いないと予測するが、なにしろ僕はその番組をほぼその発言前後の2分間ほどしか見ていないので、その後のコトは分からない。分からないが、僕もまるで同感なのだから仕方ない。そもそもあのジェット風船ってヤツ、僕の目にはほぼコンドーム飛ばしとしか見えず、それをほぼ球場全体でご唱和しつつ平気でやっているヒトたちの品格が見えないのだ。そしてさらに笑っちゃうのは、数万の群衆が飛ばしたジェット風船を回収するためにわざわざ球場係員が直後に血眼になって作業する光景。客なんだから、そのぐらいのメーワクかけたってええやないかい、とゆー無神経。北朝鮮のマスゲーム見て、そりゃ確かに気持ち悪いけれど、それよりもっと始末に負えないのが、群衆の中から出てきた私設応援団という特権階級に仕切らせたご唱和応援のあそこがメッカみたいなものだから、なおのこと気持ち悪い。
●今日のもうもう1句　　群れ群れの梅雨に飛び交うコンドーム

■ぼちぼち再開 6/17

　デスク前に座して作業が出来ないからと、この日記をしばらく休んだ。ところが、昨日が月刊誌の締め切り日で、そうなるとここが痛いあそこが痛いなどと言ってられず、結局昨日は都合4時間近くも座っていたことになる。何だかなぁ〜。連載60回を越える原稿だから手慣れたモノで、ネタの選択さえできてしまえばいつもなら小1時間、多く見積もっても2時間で書けるコラムなのに、ほんの少しだけ長い文章を書く習慣から離れると、テキメンにそのツケが現れる。
　ところで、この2〜3週間の内にメールを下さった方々にお詫び。個別のメールのお返事に対応するのはまだちょっとしんどくて、ただでさえ個別メールもダラダラと長く書くのが好きだからという事情もあるのだが、もう少しの間非礼をお許し願いたい。僕の日記をまるで日課のように読んでくれている読者がいるコトを知ったのは大いなる収穫ではあったが、なにせ今も想像を絶する姿勢でコレをタイピングしているのだ。ひゃは。
　デスクワークが無理だと知ったこの期間に、古いノート型パソコンを動員して寝床で腹這いになってやってみたのだが、片手ならともかく両手をキーボードに置いてする作業は5分ともたないのであった。すると、同じコンピュータ内にあったゲームソフトを見つけ、チーだポンだに興じてしまう始末。挙げ句の果てが睡魔に襲われグ〜スカピーなのだから、やっぱりぐ〜たらここに極まれりなのであった。カカカ。ぼちぼち、無理せず再開して参りますのだった。
●今日の１句　　ヨギ・ベラはやっぱり会話が分からない
●今日のもう１句　　あばら骨撫でて3月の痛みを知る