■殺人的いびき

　毎日愛読している実川元子さんの昨日の日記タイトルと被っちゃうので視点を変える。こないだの新幹線運転士居眠り事件ってのが、今日の報道ですでに以前にもJR西日本管内の貨物列車で起こっていたらしい。以前僕の身近にもコレで深刻な状態だった人物がいて、その余波で僕自身がヒデェ〜目に遭った思い出がある。
　R社という大手企業のPR誌のための取材で、本社の係長と同行して仙台日帰り出張に出掛けた折、地元事業所のご接待を受けて少々酒を飲み過ぎ、ついつい最終の新幹線を逃してしまったことがあった。やむなく急遽投宿旅館を手配したが、ビジネスホテルが満杯で和風旅館、それも同部屋で就寝というコトになった。即座に係長の驚異的高いびきが始まっちゃって、それはほぼ雲間から急に現れた爆撃機が爆弾投下するサワギで、大いに驚いた。ドッカ〜ン！　バリバリッ！　キュイ〜ン！　バスバスッ！　数分間の波状攻撃が終わると、今度は急にまったくの静寂が訪れるのであった。後になって知った、ソレが睡眠時無呼吸症候群の顕著な症状なのであった。ヒンパイで係長の表情をのぞくと、まるで死体みたいな顔。「ダ、ダ、ダイジョーブ？」と不安になった次の瞬間に再び爆撃機の急降下が始まり、さっきまでの倍増しに爆弾投下しやがるのであった。
　僕はやがて毛布1枚持ってトイレ前の板の間に避難したのだが、襖1枚で遮れるほど生易しい爆撃音じゃなかったので、係長のアタマ張っ倒してやりたい衝動を抑えつつ、朝まで一睡もできずに過ごしたのである。
　翌朝の新幹線の中でしゃあしゃあと「眠れましたか？」と訊かれたんで、正直に爆撃被害のホーコクをした。そこから先は係長の、それが原因で妻との離婚騒ぎが勃発しているハナシ、先日大病院に行って診察を受け、レッキとした病名をチョーダイして少し安心したコト、さらには睡眠時の気道を確保するためにちゃんとダイエットしなくちゃならないんだけんどソレが意志薄弱でままならねぇとゆーグチを聞かされるハメとなり、結局帰りの車中でも甚大な被害を受けるコトとなったのである。当時、周辺情報を仕入れたところによれば、基本的には肥満が原因の現代人病とも推測され、野放図な食欲とストレスの1セットで、こーゆー事例が出来上がるとかなんとか読んだ記憶がある。確かに、街に出ると必要以上の肥満体が多すぎるよネ。ダイエットする前に、食の欲望を制御できねぇのかナァ〜。
　僕自身はときどき深酒をするといびきをかくコトがあるらしいが、得意ワザは歯ぎしりで、こりゃなかなか騒々しいらしい。
●今日の１句　　ムスメでも若けりゃ食欲2、3倍
●今日のもう１句　　恐ろしや木の芽時なり脚疼く