■青息吐息の3日間

　おとつい、旧私学会館アルカディア市ヶ谷であった第11回小川未明文学賞授賞式＆パーティーに行った。僕の受賞から早3年の歳月。今回の大賞受賞者は青山季市さんという小学校教諭。僕の時に優秀賞受賞なすった高森女史の懐かしい顔にも再会できた。出席者の女性から「あなたがあの武勇伝の持ち主？」とお声を掛けられたのは、いまだ受賞者として書籍化の権利を途中放棄しちゃいそうになった人物は他にいないからだった。未明翁の愛娘であり当文学賞会長の岡上鈴江さん、僕を可愛がってくだすった手島悠介さん等に当時の御礼とお詫びを申し上げる意味で参上したのだが、幸運にも青山さんとは早くもメール交流が始まった。それにしても雛壇に上がった受賞者がまるで生け贄のような状況で繰り広げられた式後の詩の朗読パフォーマンスには笑った。
　拘束を解かれた酔っ払いと化した僕は、そこで7時過ぎから大いに飲みまくり、2年前から同賞の書籍出版を担当するコトになった学研編集者のみなさんに恥知らずの自分売り込み攻勢をかけたのだった。あっと言う間にパーティーはお開きとなり、勢いづいて2夜続きのヒンジュク「サムライ」へと単身移動。ここしばらく最愛の泥酔フレンド三亀さんにお会いしていなかった寂しさが大いなる無謀への原動力となったのだった。
　三亀さん、さらには店主の二健さん、当夜紹介にあずかった妙齢の女性チエさんの4人して、朝の6時まで痛飲した。二健さんのハナシで大笑いしたのは、彼がこの泥酔客をある種の知識人と思い込んでいることだった。初対面なのにそのチャーミングさに即座に魅了されちゃったチエさんからは、「ミキオさんはバランス感覚の人ネ」などと言われ、それじゃまるで「単なるお人好しの中年男」みたいな評価なのが口惜しいのであった。
　結局土曜昼過ぎに起き出し、食卓でおヒサシ節にワイフと顔を合わせた。考えてみたら3日ぶりだった。きゃっは。
　相撲取りはデブを職業的使命としながら観客を楽しませるが、総じて詩人を自称するヒトは自惚れを活力として前世紀の遺物みたいな作品を場所を選ばずタレ流すんで困ったものだ。
●今日の１句　　朝帰りして真っ先にコンピュータに向かう
●今日のもう１句　　やじろべえがグラスの縁に揺れている
●今日のもうもう１句　　麻酔じゃ効かない麻薬を寄越せ