■スモーク・サーモン

　正午あたりにノソノソと起き出し、冷めたコーヒーすすりだした直後に電話が鳴った。あれま。L.A.の浦野さんからだ。
「スゴいことになってますネ」
　彼が言うのはもちろん大リーグのワールドシリーズ第2戦のコトで、TVのスウィッチ入れたら9対9のとんでもないゲームになっていた。寝呆けアタマでナマクラ返事していたら、「今、アナハイムに行って来たんですよ」などと言いやがる。当然からかわれているもんだと思ったら、どうやら向こうでクルマも調達できたらしく、小1時間のドライブで球場周辺を眺めてきたらしいのだ。まだ日本に妻子を残したまんまの単身赴任だからと言うワケでもあるまいが、彼のコトを話題にする際には「匿名でお願いします」だなんてコト言いやがるから、しっかり名前も書いちゃう僕なのである。がはは。
　そりゃそうと。電話が終わったんで、直後から衛星中継ナマ観戦。エンジェルスの3番打者にティム・サーモンという生え抜きの人気選手がいて、本拠地の応援席にファンの掲げるバナーの中に「The King Fish Salmon!」なんてぇのを見つけた。キング・サーモンに引っかけたメッセージだ。ところが、いつの間にやらベイスボール英語の専門家としてすっかり成長しちゃったこの僕には「レレレ？」の文言。と言うのも、ベイスボール英語で「fish」とくれば「投手が投げるエサに飛びついて、とりわけ外角に外れる誘い球を追っかけて空振りしちゃう」コトなんである。あっさりと「The King Salmon!」とやっとけば良かったのにナァ〜、などと海のこっちでツッコミを入れといた。
　そんな時、僕だったらどんなメッセージにしただろうかと考えたのが、本日のタイトルで、意味は「鮭の燻製」としてではなく、これまたベイスボール英語の「smoke」には「煙が出るほどの強い当たり」の意味があるワケで、「Smoke Salmon!」とやった方が数段おシャレなんじゃないのか？　と、思った次第。ひゃは。いけね。ベイスボール英語辞典もずっとうっちゃらかしのまんまだ。
●今日の１句　　おいしいサーモン2本も本塁打
●今日のもう１句　　泥酔フレンド映画デビューの日が近し